IKUEI NEWS vol.73
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先進的な創意工夫で注目される図書館 金沢工業大学ライブラリーセンターは、約 30年前の開館当時から、図書館の必需品であった検索カードを廃して、日本初のコンピューターによる検索システムを導入して話題を呼びました。その後も、「サブジェクト・ライブラリアン(※)制度」を導入するなど、常に先進的な取り組みを行なってきました。 ライブラリーセンターの館長を務める竺覚暁教授はその目的について、「常に学生目線で学びを深めるため」と語ります。 「ライブラリーセンターは、大学組織内では教授会などの組織からは独立した理事会直轄の組織として、教育・研究に対して主体的にサービスの提供をしています。そして、実施する施策は、常に学生に近いところにいる学内の関連部署と緊密に連携しながら決定しています。これは、センターが実施するサービスは全てが学生の学びを支援するものだからです」。 同センターでは、学ぶ環境を充実させるため、図書だけでなく電子図書やCD/DVDなどのデジタル情報や、レコード・ビデオなどのAVコレクションまで幅広く取り扱っています。倫理観を身につけてもらうには歴史に学ぶことが最適だとして、科学技術を築いてきた古い本を集めようということに至ったのです」。 また、初版本にこだわる理由について「科学技術は誰が最初に発表したかというプライオリティが大切。どの本が最初かがわからないと科学技術の発想の流れを時系列で追うことができず、体系的な収集になりません。そこで、2600点ほどの論文・書物を含む科学技術書の目録をつくり、それを埋めるようにして集めることで、抜けがあっても体系性を保てるようにしています」といいます。 最後に、工学の曙文庫を含め、ライブラリーセンターの今後について竺館長はこういいます。 「工学の曙文庫はこれからも収集していきたいと思います。また、ライブラリーセンターは、学生の変化に対応し、時代に沿ったサービスを進め、ラーニング・コモンズの場としてさらに充実させていきます」。貴重な科学技術書を体系的に集める無二の図書館として 金沢工業大学ライブラリーセンターは、科学技術発展の軌跡を示す「工学の曙文庫」があることでも知られています。これは、科学的発見や技術的開発が発表された初版本を体系的に収集した貴重なコレクションで、チャールス・ダーウィンの『種の起源』など、現在2000点余りが所蔵されています。 同文庫について金沢工業大学のホームページでは、「工学の創造的探究と、人間性とのかかわりを正しく把握、判断する為に、科学及び工学の発展の軌跡、その歴史的認識が重要かつ不可欠であると確信して、科学技術史及び科学技術倫理の教育と研究を実施するとともに、発展の途上において行われた主要な科学的発見、技術的発明の原典初版を収集し、それを教育・研究に活用しております」と紹介しています。 ライブラリーセンターで、 30年前の「工学の曙文庫」の立ち上げから、担当者として携わってきた竺館長は、その設立のきっかけについてこう語ります。 「本学の創設者は〝技術を持った悪魔になるなかれ〞ということを核として技術者倫理教育をしてきました。科学技術は人々の生活を豊かにしてくれる反面、その使い方や目的を誤れば危険を生み出してしまいます。技術者として正しい教育や学習、研究などの大学生活の「心臓」となる図書館を目指して、1982年の開館当時から常に最先端の図書館テクノロジーを導入、創意工夫で話題を提供してきた金沢工業大学ライブラリーセンター。日本で唯一の、体系的な科学技術書のコレクション「工学の曙文庫」を展開しています。金沢工業大学ライブラリーセンター貴重な蔵書から科学技術発展の動向を学ぶ「工学の曙文庫」ライブラリーセンター館長の竺覚暁教授。『工学の曙文庫』が所蔵された貴重資料室。ガリレオ・ガリレイ『世界二大体系についての対話』の初版本(1632年刊行)。※サブジェクト・ライブラリアン:自らの専門分野の図書、雑誌等の情報収集や蔵書構成に責任を持ち、学習に関する相談やレファレンスも行なう教員のこと。ちくかくぎょう明日への視点変化する大学図書館をもっと活用する自分を育てる学生生活の過ごし方1519

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