IKUEI NEWS vol.73
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利用を促進する特色あるサービス ICU図書館はリベラルアーツ教育を支える情報基盤として、特色あるサービスを展開している。その代表的なものが、「貸出冊数無制限」と、授業と連携した図書館利用教育である。 学生のニーズを最優先に考え、図書館は開学当時から貸出冊数無制限で運営している。貸出冊数無制限の懸念として、特定の利用者が大量の図書を独占してしまうのではないかという点が挙げられるが、これまで、貸出冊数無制限に対する不満を一度も聞いたことがない。学生は独占せずに必要な範囲で借りるという協調性を持ちつつ、必要な資料を必要なだけ借りることができるメリットを大いに活用している。 図書館利用教育は、英語での論文作成を目指す必修科目、「リベラルアーツ英語プログラム」の中で実施している。1〜2年次の間に図書館員による3回のレクチャーを行い、印刷物と電子媒体の両方を対象にした文献探索法を段階的に指導している。膨大な情報が流通するデジタル社会を生き抜くための術として情報リテラシーは不可欠であり、学生の情報リテラシーを高める図書館利用教育は導入教育の一つとして欠かせない存在になっている。変化し続けるICU図書館 2000年9月、図書館の新館として「ミルドレッド・トップ・オスマー図書館」(オスマー図書館)がオープンした。オスマー図書館は地上2階、地下4階建てで、地上フロアにはPCが常設された大規模な個人学習エリア、グループ学習が実践できるグループラーニングエリア、授業やレクチャーを行うマルチメディアルームなどがあり、地下には50万冊収納可能な国内初の自動化書庫が設置されている。オスマー図書館は、印刷物と電子媒体が融合するハイブリット図書館を目指すとともに、学生の多様な学習スタイルを可能にする学習空間を提供し、国内におけるラーニング・コモンズの先駆けとして注目されている。 2012年12月には、オスマー図書館の一角にライティングサポートデスクが開設された。前述の教育方針に掲げているように、ICUでは文章記述力に重点を置いたカリキュラムを展開している。多くの科目でレポートやエッセイを課しているとともに、大学における「学び」の集大成として卒業論文を必修にしている。近年、授業以外でもライティングの指導を受けられる場の必要性が高まり、全学的なプロジェクトとしてライティングサポートデスクが設置された。ライティングサポートデスクでは、選抜された大学院生がチューターになり、テーマの選び方、参考文献の探し方、論文構成など、さまざまな観点からライティングの指導に当っている。 このように、ICU図書館は図書館を取り巻く環境と学生のニーズの変化に合わせて、新しい施設・設備やサービスの提供に努めてきた。今後ますます情報のデジタル化は進み、図書館の存在意義が問われる時代が到来するだろう。図書館は資料を提供するという従来型のサービスに留まらず、ネットからは得られない人と人との交流から生まれる情報を提供する場として、今までにない新しい使命を担っていくものと考えている。畠山 珠美(はたけやま たまみ)1983年、青山学院大学理工学部卒業。2006年慶應義塾大学大学院文学研究科図書館情報学修士課程修了。2006年から8年間国際基督教大学図書館長代行を務め、14年同大学図書館長に就任。14

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