IKUEI NEWS vol.73
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図書館利用率の高さの鍵は「リベラルアーツ教育」 国際基督教大学(ICU)は日本初のリベラルアーツ大学として、1953年に開学した。リベラルアーツ教育は、学生が将来責任ある知識人として職業生活、社会生活、あるいは研究生活を送るために、人文、社会、自然科学を広く学び、知識探求の基礎的能力と課題解決能力を身につけることを目指す。 図書館は開学と同時に設置され、以前から高い利用率を誇っている。例えば、朝日新聞出版が毎年発行している「大学ランキング」の図書館部門において、ICUは常にトップクラスにランキングされている。このランキングにおいて、特に高い評価を受けているのが貸出冊数である。昨年度の学生一人あたりの貸出冊数は約52冊、この数は国内平均の6倍超に相当する。デジタル社会になった現在でも、ICUが依然として高い水準の貸出冊数を維持しているのは何故だろうか。その答えは、リベラルアーツ教育の中に潜んでいる。ICUのリベラルアーツ教育とは? ICUのリベラルアーツ教育は、学問分野の垣根を超えた教養教育重視のカリキュラム、少人数教育、「対話」を重視した授業形態が特徴である。具体的には、左記の能力を修得することを目的としている。①学問の基礎を固め、自発的学修者として主体的に計画を立てつつ、創造的に学んでいく能力②日英両語で学び、世界の人々と対話できる言語運用能力③自他に対する批判的思考力を基礎に、問題を発見し解決していく能力④文理を問わず多様な知識を統合し、実践の場で活用する能力⑤効果的な文章記述力とコミュニケーション力に基づく説明能力 この教育方針の5つの柱において、図書館に最も深く関わっているのは③である。③の批判的思考力とは、他人の考えに批判的になることではなく、自分自身が知らずに備えているものの見方を吟味し検証することであり、この批判的思考力を養うためにはより多くの文献を読むことが求められる。授業ではいくつかのテーマを基に、ディスカッション、グループワーク、およびレポートが課せられる。学生は、テーマに関する賛成論、反対論、中立論というさまざまな立場の考えを比較し、最終的に自身の主張をまとめるというプロセスをたどる。すなわち、ICUの授業は教科書だけで完結するものではなく、より多くの図書館資料を必要とする。 学生が本を借りたくなる、ICU図書館の秘密寄稿●3畠山 珠美国際基督教大学 図書館長リベラルアーツ教育を支える情報基盤としての図書館自他に対する批判的思考力は、多くの資料にあたり、さまざまな情報を比較する中で養われる。これからの図書館は、人と人との交流から生まれる情報を提供する場としての使命を担う。明日への視点変化する大学図書館をもっと活用する自分を育てる学生生活の過ごし方1513

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