IKUEI NEWS vol.73
12/40

体系的な本の配列が、「興味の連鎖」を引き起こす 大学図書館では、人間が創りだしてきた知識の体系に従って本が並べられている。一つのテーマは、別の関連のあるテーマと連なっている。すなわち、特定のテーマの周囲には、関連するテーマの本が続いて並んでいる。例えば「会社」に関する本は、背面ラベルの1段目に「335・4」と書かれた本が並んでいるところにある。335・4はNDC(日本十進分類法)の分類記号で、会社に関する本につけられる番号である。335・4の中には株主総会や株式、社債、社史などに関する本が含まれる。その近くには、経営事情、経営倫理や企業集中、公営企業などの本が並ぶ。さらに周囲には、経営管理に関わる本や金融、銀行、保険などに関する本などが並んでいる。そして、本棚全体を見ていくと、財政や経済に関する本がある。このように、一つのテーマの周囲には関連するテーマの本が並んでいる。これが図書館の本棚の特徴だ。 さらに図書館員に聞いてみると、例えば特定の企業になると、その会社が作ったり、扱ったりしている商品によって、別の分類のところに置かれていることが分かる。また、会社に関する法律は、法律の分野の「325・2 会社法」という分類の本棚に置かれていることも分かる。会社法は、「325 商法」の中の小分類である。 このように図書館は関連する本がそれぞれの観点で分類されていて、一つのテーマに関連するテーマが本棚の続きにあるかと思えば、離れた本棚にもある。これは、ある決められた知識の体系に従って本が並んでいるということである。活用しようとする利用者から見ると、一つのテーマに関する関心・興味が喚起されると、次々と関連するテーマにも広がっていって、それぞれのテーマに関する事柄・知識にも関心・興味を持つことができる、いわば〈興味の連鎖〉に至るということになる。主体的にみれば〈興味の連鎖〉が視野の広い、また特定のテーマについての深い見方を育てるということもできる。本と学生を繋ぐ図書館の試み 図書館は、本と学生を結びつけるさまざまな試みを体系的に展開している。例えば、本を手にとってもらうために、各分類の本棚で一番目につく最上段を表紙が見える本棚にして小テーマ展示を行い、2週間に一度はテーマを変えて展示をする。人が本を手にする一番のきっかけは表紙だ。次に書名が面白そうだから、そして仲間や世間の話題に取り上げられたから、と続く。 また、学生の関心あるテーマの話題づくりをすることも、図書館の役割だ。イベント、映画会、図書館で起こる「興味の連鎖」について寄稿●1大串 夏身図書館情報学者/元昭和女子大学 教授図書館の本棚から始まる、「興味の連鎖」という学び方あるテーマに関連する本をきっかけに、周囲のテーマへと興味・関心が広がる「興味の連鎖」。図書館員によって厳選された、論理的で体系的な記述の本を読むことで、広い視野を得よう。明日への視点変化する大学図書館をもっと活用する自分を育てる学生生活の過ごし方159

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 12

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です