IKUEI NEWS vol72
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音楽を通じてお客さんに価値ある時間を届けるヴァイオリニストを目指して幼い頃からヴァイオリンと共に歩んできた瀧村さん。自分で進むと決めた道はオーケストラ奏者でした。日本有数の人気と実力を誇る読売日本交響楽団で、首席奏者としての責任を果たすべく、日々勉強に勤しんでいます。読売日本交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者(大学院奨学生第4期生)瀧村 依里 さんえ り協力:横浜みなとみらいホール(写真左端が瀧村さん)きっかけは祖父音楽の楽しさを知った幼少時代 8月の終わり、横浜みなとみらいホールで行なわれた「みなとみらいクラシック・クルーズVol・70〜読売日本交響楽団メンバーによる室内楽〜」。その舞台に立ったヴァイオリニストが、今回お話を伺った瀧村依里さんです。 瀧村さんは、2009年に東京藝術大学音楽学部を首席で卒業。同大学大学院進学、ウィーン留学を経て、今年、読売日本交響楽団に第2ヴァイオリン首席奏者として正式入団しました。 瀧村さんがヴァイオリンを始めたきっかけは、多趣味だった祖父が持っていた一本のヴァイオリンだったといいます。 「4歳くらいの頃、テレビでヴァイオリンを観て、憧れました。祖父が持っていたヴァイオリンが羨ましくなり、教えてもらおうと頼んでみたのです。すると祖父は、『自分はとても教えられないから、ちゃんとした先生に習いなさい』と言ってくれて、それが始まりでした。先生はとても熱心に指導をしてくれて、コンクール前には1日3回も先生の家に行くことがあったほどです。厳しい毎日でしたが、先生が音楽を楽しいものとして教えてくれたので、つらい、辞めたいと思ったことはありませんでした」。読売日本交響楽団へいきなり首席奏者としての入団 中学を卒業すると同時に、地元神戸を出て、東京藝術大学音楽学部付属音楽高等学校へ進学。さらに大学、大学院と順調に音楽の道を進んできました。ウィーン国立音楽大学大学院に留学し、「卒業後どう活動していこうか」と悩んでいたときに、瀧村さんにとって大きな転機が訪れました。それは、音楽の都・ウィーンで故クラウディオ・アバド氏が指揮をとる音楽会を聴きに行ったことです。 「アバド氏は大ベテランでしたが、若いメンバーで構成されたオーケストラととても楽しそうに演奏をしていました。特に、第2ヴァイオリンを際立たせるように盛り立てるアバド氏の熱いやりとりに魅了されて、オーケストラに入って第2ヴァイオリンをやってみたいと思っ31

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