IKUEI NEWS vol72
12/44

学生の「主体性」を引き出す産学連携PBL「FSP講座」 一般社団法人 Future Skills Project(以下FSP)研究会では「社会で活躍できる人材をどのように育成すべきか」をテーマに、産学協同で議論を重ねてきました。その結果、今の若者に不足しているのは能力を発揮する基盤としての「主体性」であるという結論に至りました。 学生の多くは、興味があることや以前に経験したものに対しては主体性を発揮する一方、興味のないことや、唯一の正解がない課題に向き合う場合、指示があれば動けるものの、主体的に動きません。 そこで、学生の主体性を引き出すために開発したのが、産学連携PBL(Project - Based Learning)である「FSP講座」です。この講座では、全14コマで2つの企業課題に取り組みます(図)。課題は、実際に企業の方をお招きし、「学生向け」ではなく、企業の会議室で話されるような「リアルな」課題を出していただきます。これは、学生がいずれ企業の中堅を担う年齢になった時に向き合う課題の実態を知り、「社会で必要な力」と「今の自分の力」のギャップを理解することで、それを埋めるために主体的に学ぶようになることが狙いです。早期に学びへの姿勢を転換し、知識の重要性も自覚させる FSP講座の1つ目のポイントは、講座の時期を大学1年の前期に設定したことです。これは、大学での学びが、高校までの未来を創る「主体的な学び」を実践するピースセッション1では、「社会と直結する力を育てる」、「大学・企業・地域のコラボレーション」という2つのテーマで分科会が行われました。登壇者による講演や質疑応答を通じて、それぞれのテーマについて議論を深めました。大学生研究フォーラム 2015社会と直結する力を育てるピースセッション1-1ファシリテータ 村上 正行一般社団法人Future Skills Project研究会 事務局長平山 恭子「与えられる」ものではなく、「自ら得る」ものだということを早期に実感させ、学びに対する姿勢を転換させるためです。 2つ目のポイントは、2つの企業課題に取り組むことです。学生は、最初の企業課題の振り返りで「言いたいことが伝わらない」というコミュニケーション能力等のスキル不足を自覚します。その反省を踏まえて次の企業課題に取り組むと、「スキル不足だけではなく、知識不足で議論できない」というように、知識の必要性を自覚するのです。ここで、学生は知識を得るための学部教育の重要性にやっと気づくことができます。 3つ目のポイントは、企業関係者と学生が「上司と部下」として話をすることです。そうすることで、学生は「学生目線で与えられた課題」に取り組むのではなく、社会人としての当事者意識を持ち、本気で課題に取り組むようになります。 実際に講座を受けた学生に、学年が上がってから講座受講後の変化を聞くと、「新しい理論や技術を知ると、『今ならこんな提案ができるのに』と、今でも企業の課題のことを思う」、「世の中がどうやって動いているのか、講座以降気になって仕方がない」という意見を聞くことができました。このことからも、この講座をもって学生の主体性を引き出すことに成功しているのではないかと思います。ピースセッション1(図) FSP講座の標準的な進め方2課題とは?ディスカッション練習3★企業から課題提示4グループ活動5★企業への一次提案6グループ活動7★企業への最終提案・評価8振り返り・スキル紹介・チーム再編9★企業から課題提示10グループ活動11★企業への一次提案12グループ活動13★企業への最終提案・評価14全体の振り返り・今後の学び検討コマ企業参加企業❶企業❷内容1マインドセット・ルール説明9

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です