vol71
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向が強まることが分かっています(図表5)。今号の事例取材では、昨年話題になった「100円朝食」のパイオニアである立命館大学を訪ね、その誕生の経緯に迫りました(17ページ)。 そして、「食育で育てたい食べる力」でも食を通じた〝社会性〞の獲得が挙がっていたように、集いの場としての役割も見逃すことはできません。「同じ釜の飯を食べる」ことで仲を深め、学生生活を共に過ごす友人と出会うことができるでしょう。 学食は食育の場としてどのような役割を果たしているのか――。今号の特集ではその答えを探し、「食材や料理に関する理解・知識」に限らず「料理や学食を利用した学び」も含め、広い意味で食育を捉えました。学生の皆さんが自身の食生活を見直し、食に関するさまざまな学びに触れるきっかけになれば幸いです。食の学び、「食育」とは何か学食の役割を考えるを取ることの必要性、日本の食文化や生産者への理解も含め、食育は食を通じたあらゆる学びに繋がっています。 以上を踏まえ、学食が食育に果たす役割について考えてみましょう。 まず学食のメニューは、前述の「レストラン化」が進む中で、栄養バランスと食べる楽しみを満足させる多彩なものになりました。綺麗な盛りつけや地産地消の食材を使用するなど、さらなる付加価値を提供しているところもあります。 また、食事の重要性を理解させる取り組みとして、多くの学食で朝食の提供が始まっています。大学生の朝食摂取状況に関する内閣府調査によれば、学生全体で4割、自宅外通学者で実に半分以上の学生が朝食を抜きがちであり、また、学年が上がるに連れて朝食を取らなくなる傾 これらの調査結果から、学食は、学生が大学時代を通じて最も多く食に触れる場所であることが分かります。したがって、学食は、健康的な体作りはもちろんのこと、食事の重要性や食文化を理解するための「食の学びの場」としての機能も求められます。 食を取り巻く学びは「食育」と呼ばれ、近年その重要性が説かれています。2005年(平成17年)には、「国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるようにするため、食育を総合的、計画的に推進する」ために食育基本法が成立しました。この法律では、食育は「①生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの②様々な経験を通じて『食』に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること」と定義されています。ここでは食育が、心や体を支える人間の〝土台〞と捉えられています。 では、食育で育むべき力とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。図表4は、内閣府が具体的な食育の取り組みを推進するために発行している「食育ガイド」より抜粋した、〝食育で育てたい食べる力〞を表したものです。この図から分かるように、心身の健康や食事の重要性にとどまらず、食べものの選択力や人と一緒に食事学食図表3 大学生が昼食で利用するのは?出典:タウンワークマガジン 2014年11月19日号(複数回答)男性女性コンビニ・生協売店弁当持参スーパー弁当店・総菜店ファーストフード定食屋レストラン立ち食い57%56%61%49%19%9%13%4%6%7%13%13%10%5%3%1%5%41%図表2 大学生の昼食代出典:タウンワークマガジン 2014年11月19日号~300円19%601円以上10%501~600円9%401~500円35%301~400円27%全体n=1,2231年生n=2982年生n=2943年生n=2984年生n=295自宅n=762下宿・アパート・その他 n=426図表5 大学生の朝食摂取状況出典:2009年・内閣府調査02040608010061.1%67.1%60.5%60.7%55.6%68.5%48.6%19.5%6.1%13.3%18.5%5.7%8.7%22.1%5.8%11.6%17.8%6.4%15.1%20.7%6.1%17.6%16.0%4.5%11.0%25.4%8.9%17.1%ほとんど毎日食べる週2~3日食べない週4~5日食べないほとんど食べない図表4 食育で育てたい食べる力食育心と身体の健康を維持できる心と身体の健康を維持できる食事の重要性や楽しさを理解する食事の重要性や楽しさを理解する一緒に食べたい人がいる[社会性]一緒に食べたい人がいる[社会性]感謝の心感謝の心日本の食文化を理解し伝えることができる日本の食文化を理解し伝えることができる食べ物の選択や食事づくりができる食べ物の選択や食事づくりができる出典:内閣府「食育ガイド」3

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