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明する基礎医学や薬学分野を中心に研究室をリサーチ、時には直接見学に行き、大学3年生の頃には進学したい研究室を決めていました。しかし同時に、好きなこと、興味のあることを仕事にする自覚が持てず、このまま研究者への道を一本に目指して良いのか、という漠然とした不安を抱えていました。 そこで、先輩研究者の意見を聞きたいと考えた私は、大学4年生になる頃、所属していた研究室のOBで、当時大阪大学の助教だった方を探し出しました。すぐに連絡したところ、急なことにも関わらず話を聞いていただけることになりました。その方の、「向いているかどうか考えるより、やりたいと思ったことを突き詰めれば良い」という言葉のおかげで、進路に対する迷いが消え、研究を続けていこうと思うようになったのです。その方はアメリカに居住され、なかなか震災をきっかけに大学進学を決意 私は小学生の頃から理科実験が大好きでした。中学生になると、物質の構成や反応による変化に興味を持ち、化学を専門に勉強するため、地元の高等専門学校への進学を決めました。 そこで化学を勉強していくうちに、段々と生物分野を勉強したいと思うようになっていきました。なぜ人は病気になるのか、その時に生体内では何が起こっているのか、ということに関心が移っていったのだと思います。化学だけを学んでいても、そういった事象を深く理解することができないため、生物を勉強できる大学に進学するか、そのまま在学して化学を究めるか、進路に迷っていました。 そんな折、高等専門学校5年生の10月に中越地震で通っていた学校が被災しました。数週間の避難生活が自分の人生をじっくり考えるきっかけとなり、「一度しかない人生だから、やりたいことに向かってみよう」と思い立ち、異分野の勉強のため一から大学受験をすることにしたのです。大学入学時から準備していた大学院への進学 「研究者になりたい」という希望から、大学院への進学は、大学入学時から意識していました。生命現象を化学で説会うことはできませんが、年賀状やSNSなどで交流は続いています。軸を持って、今やるべきことを考える 今の自分があるのは、自分が何をしたいのかを考え、そこに向かって「今は何をするべきか」を常に意識することができていたからだと思います。 学生の皆さんが将来の進路を考える際には、自分の軸を意識することが大切だと思います。例えば、「英語を極めよう」「誰よりも法律に詳しくなろう」など、やってみたいと思うことで何か一つ目的意識を持っているだけで、そのためにやるべきことが自ずと見えてくると思います。もちろん、学生のうちに全力で遊ぶことも大切ですが、なぜ自分は今いる大学を選んだのか、ここで何を学びたいのか、その先はどうしたいのかを考えて、自分の軸を作っていってください。大学院時代、医学系出版社でのインターンシップの様子(一番右が伊藤さん)。大学の研究室の同期で行った福井旅行の様子(前列一番左が伊藤さん)。29

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