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製品に新たな付加価値を与える技術の第一発見者を目指して微生物制御の研究を通して製品価値を高めるための基盤研究に携わっている伊藤さん。花王製品の要となる技術を発見するべく日々の研究を続けています。花王株式会社 栃木研究所安全性科学研究所3室(電通育英会42期生)伊藤 淑貴さん新たな技術の芽を見つける基盤研究 伊藤淑貴さんは2010年に鳥取大学農学部生物資源環境学科を卒業後、東京医科歯科大学大学院に進学、2012年4月に花王株式会社に入社しました。入社後は和歌山研究所に約2年半勤務し、2015年1月に栃木研究所に異動、同年5月から安全性科学研究所3室に配属されました。 伊藤さんは現在、製品の衛生的な価値を高める技術を見つけるため、微生物制御の研究をしています。 「例えば、お風呂場のカビや、生乾きの洗濯物から嫌なニオイが発生するのも、菌などの微生物が原因です。その原因となる微生物の働きを制御することで、カビや嫌なニオイを軽減させることができるようになります。安全性科学研究所で私は、消費者がより安心して使用できる製品開発の基盤研究をしています」。 花王では、この「基盤研究」分野に研究員のおよそ3割を充て、力を入れています。伊藤さんが花王入社を決めた大きな理由だといいます。 「私は製品価値を根幹の部分で高められるような技術シーズを見つける研究を希望していましたので、現在の仕事にはとてもやりがいを感じています。製品開発や製造からは少し距離がありますが、いつか自分の発見した技術を生かした製品が店頭に並ぶ姿を見てみたいと思います」。暗中模索の状態から一つずつ解き明かす研究の面白さ 研究開発は、大きく「基盤研究」と「商品開発」の2つに分けられます。商品開発では研究、生産、事業部などさまざまな立場の人々と協働して、1年〜数年先の製品発売に向けた開発を行います。これに対し伊藤さんの携わっている基盤研究では、数年〜10年後に活用できるようなまだ誰も見つけていない新しい技術を見つけ出すことが大きな目標です。そのため、研究はまさに暗中模索の状態からスタートします。 「最初は何をしたら自分の求める情報が得られるのか、全く分からない状態です。今まで行われてきた研究の実験データや、様々な文献と向き合いながら実験計画を立てます。一つの計画を立てるにも、下調べに費やす時間は膨大なものになります。時には使用する機器の仕組みを一から調べなければいけないこともあります」。 下調べを重ねた結果をもとに実験計画を立てても、求める結果が得られるかどうかは実験をやってみなけれよし たか27

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