vol71
20/40

「100円朝食」に込められた子を思う親の愛情 立命館大学の「100円朝食」の利用者数は2015年6月現在で累計 13 万人を超えており、学生から好評を得ています。 生みの親である立命館大学父母教育後援会(父母会)の田中千佳江さんは、「父母会は学生の父母で構成され、大学での教育事業を援助する団体で、懇談会を通じて相互交流を図っています。そんな中で、1人暮らしの学生の食事環境や健康を心配する声を頻繁に耳にし、何かできないかと考案したのが『100円朝食』です」と話してくれました。 1人暮らしの学生は、早起きが辛いことや、手間や時間、費用などさまざまな理由で朝食を抜くことが多いもの。そこで父母会では、授業の前にしっかりと朝食を取って1日をスタートし、充実した学生生活を送ってもらうために、朝食の費用の一部を負担し、学生には100円で朝食を提供することにしました。 スタートから1年半を経過、学生から「100円朝食で規則正しい生活ができるようになった」という声や、学生が主体的に100円朝食を広める動きも出てきて、田中さんは「気持ちが通じたことは大変嬉しいこと」と語ります。受け身ではなくアクティブに学生が100円朝食を全学に広める 学生の健康を願う父母会の親心で誕生した「100円朝食」。この取り組みの理念に共感し、他の学生にも広めていこうと立ち上がったのが「立命館オリター団」です。オリター団は、各学部にある学生団体の一つで、新入生支援を主な活動とし、クラス合宿など新入生同士の交流を促すレクリエーションの企画・運に招待すること。オリター団が主催している毎年恒例のクラス合宿では大学に泊まるため、そのことを活用した企画でした。この企画は好評を得て、毎回続いています。また、「100円朝食レシピコンテスト」という、100円で作ることが可能な朝食レシピを考える中で、自炊の大切さや自身の健康管理・生活習慣を見つめ直す企画も行いました。最後に、オリター団の今後の100円朝食への取り組みについて副島さんはこう語ります。 「自分の学生生活での目標のために、有意義な環境を作る一つの手段として100円朝食を活用してほしいと思っています。今後はさらに100円朝食を広めていくため、学生の声を反映したメニューや、テスト期間に勉強を促すキャンペーンなどを考えています。父母会から支援を受けるだけでなく、それに対して学生自身が考えて行動していくという形を作っていきます」。営などを行っています。 全学自治会のオリター団統括を担当している経済学部4年生の副島康裕さんが、「オリター団が100円朝食に関する取り組みを始めたきっかけ」について話してくれました。 「実家の母親からの連絡で100円朝食を知り、朝ごはんを抜くことが多かった私も100円という価格に惹かれて出かけました。朝8時から8時40分と、学生にしては早起きしないと食べられない朝食ですが、朝食のおいしさはもちろん、早起きは時間に余裕ができ、時間を有効に使うことができ、心にも余裕ができるなど、メリットも多いことに気づきました。この体験をオリター団から1年生にも伝えたいと思い、活動の提案をしました」。 副島さんが提案したのは新入生を「100円朝食」「わが子に朝食を」「健康な1日のスタートを」と願う親の気持ちから考案された立命館大学の「100円朝食」。2013年 12 月からスタートし、今では毎月約1万6千人が利用しています。学内の学生団体もこの活動を全面的に支援。父母会の願いはいま全学に広がっています。立命館大学 100円朝食安くておいしい朝食で、学生の正しい生活習慣と健康的な体を作る父母教育後援会(父母会)の田中千佳江さん。経済学部4年生の副島康裕さん。明日への視点学食は食育の場である自分を育てる学生生活の過ごし方14生協食堂の朝食は、ご飯とみそ汁に、小鉢でおかず3品がついて100円。JAおうみ冨士とのコラボレーションから生まれた「旬菜100円朝食」の野菜中華丼。そえじま17

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です