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学生考案のメニューが発展途上国の子どもたちを救う 「Anchorは〝学生にもできる国際協力や社会貢献を模索・提案・実践していく〞ことを理念として、2008年に設立された学習院大学の学生団体です。適正な価格で発展途上国の製品を輸入・販売するフェアトレード活動から始まり、社会貢献活動やボランティアも行っています」。 こう語るのは、学習院大学の国際協力団体「Anchor」の代表・法学部3年生の北埜航太さん。 現在Anchorでは、チョコレートのフェアトレードを広める「まちチョコ」、社会や環境に配慮したファッションを広める「エシカル」、そして「TABLE FOR TWO」の3つのプロジェクトを行っており、約50名のメンバーがそれぞれのプロジェクトに所属しています。 TABLE FOR TWO(TFT)とは、食堂で対象のメニューを購入すると、発展途上国へ1食につき20円が寄付され、その寄付金で途上国の子どもたちが1食分の給食を食べられるという国際支援活動です。趣旨に賛同するさまざまな大学や企業、レストランに広まりつつあります。 学習院大学の学食では、Anchorの働きかけにより、2014年4月からTFT対象メニューを販売しています。メニューの考案もAnchorのTFT班の役目、毎年2月に次年度分の毎月のメニュー案を学食の店長に提出します。店長が旬の食材を活用し、食材の廃棄を削減できるようにメニュー案をアレンジし、およそ2週間おきに毎月2種類のメニューが提供されています。浸透していく一方、さまざまな課題が見え始めてきたと、Anchorのメンバーで文学部2年生の芳我海里さんが説明します。 「学食の利用者数の増減がそのまま対象メニューの購入者数に影響するため、大型連休や後期授業で人が減れば、その分寄付金も少なくなります。初年度に比べ、メニューの目新しさだけで提供数を増やすことは難しくなってきました」。 これらの課題について、「上乗せされている20円の〝意味〞をしっかりと伝えることで、提供数を増やしていきたい」と中林さん。今後も、国際協力に対する意識を、「Anchor(いかり)」の名のとおり根づかせていきます。大学を動かした5年越しの思い 2010年からTFT活動を開始し、学食への導入を大学側に働きかけていたAnchor。しかし、金銭の取り扱いや食堂職員の負担が増えることから、許可されませんでした。2013年、Anchorは再度TFTの導入を提案しました。 「かつてTFT活動を提案した先輩方とは、私の入学時には卒業してすれ違いでしたが、『TFTで発展途上国の子どもたちを支援したい』という思いはきっちりと受け継がれていました。そして2年前に再び交渉を始め、一過性の取り組みではなく、メンバーが入れ替わってもAnchorとして責任をもってTFT活動を継続するという条件で、5年越しの導入が認められました」と、文学部3年生でTFT班リーダーの中林恵莉さんは語ります。 実際にTFTメニューを学食で提供し始めて2年目。500食近く購入される月もあるほどTFTメニューの存在が学生にNPO法人「TABLE FOR TWO Inter-national」が主催する、発展途上国の子どもたちへの食事支援プログラムを、大学とのねばり強い交渉の末に学食へ導入した学習院大学・国際協力団体Anchor。受け継がれてきた国際支援活動について伺いました。学習院大学 国際協力団体 Anchor挫折を経て「TABLE FOR TWO」を学食に定着させたきた のは が左から中林恵莉さん、北埜航太さん、芳我海里さん。Anchorメンバーの集合写真。今年6月上旬のTFT対象メニュー、「冷やし梅サラダうどん」。いかりをモチーフにしたAnchorのロゴマーク。明日への視点学食は食育の場である自分を育てる学生生活の過ごし方1413

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