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事例取材学食での多彩な取り組み米から始まった学生が企画する産地体験会 「岩手大学生協学生委員会は、さまざまな学生支援を行なっている学生組織です。私たちの活動の中に『産地体験会』という生協へ食材を提供している農家と交流を行い、食への意識向上を図る取り組みがあります」。 こう語るのは、生協学生委員会の人文社会科学部3年生・髙橋幸恵さん。産地体験会は、生協へ食材を提供している地元の農家を学生が訪れ、農作業体験や交流を行うことで、参加者の食への意識向上を図る取り組みです。 大学生協が生産者と学生を引き合わせますが、その後はすべて生協学生委員会の学生が企画立案から運営までを主導して行ないます。体験会終了後には、生産者と共同で開発したメニューを学食で提供したり、体験で得た知識をもとに食材に関するポスターを掲示したりしています。 産地体験会の活動は、学食で提供する地元のお米を知ってもらう活動だったと岩手大学生活協同組合の宍戸研専務理事は言います。 「実は、米どころの多い東北地方の生協食堂で唯一、岩手大学だけが独自流通で地元の米を使用しています。岩手米の提供が始まった2007年に、その価値や魅力を伝えるため、田植えや稲刈りを通じて学生に生産者と交流してもらおうと産地体験会を考案しました。今では、米だけでなくプチトマトや牛乳など、さまざまな食材の体験会を行なっています」。われました。今後の期待について、宍戸専務理事は次のように語ります。 「以前、学生が〝南部一郎〞という岩手特産のカボチャを探してきて、食堂のメニューで使ってほしいと生協に働きかけ、実際に採用されたことがありました。その後、このカボチャを生産している農家を訪れる産地体験会を行うようになりました。このように学生が発見した岩手産の食材を、生協が流通・生産者とうまく繋げる仕組みを作るなど、学生の力も借りて、『食に興味を持つ』『食べ物や食材に関する正しい知識を獲得する』『栄養バランスの優れたおいしい食事を取る』『さらなる食への興味を持つ』という食育のサイクルを学食から広めていきます。将来学生が家庭を持った時、次世代に伝えるべき正しい食知識を、ぜひ学食で学んでほしいですね」。「食への興味」を喚起した田植え体験 毎年テーマを決めて行われる産地体験会。2015年度のテーマは「まず食に興味を持ってもらう」。今年の5月の田植え体験で企画リーダーを務めた生協学生委員会の農学部2年生・佐藤結佳さんが、体験会について振り返ります。 「農家・流通業者・JAの協力のもと、学生25名が奥州市の水沢地域にある農家に赴き、田植え機の乗車体験などを行ないました。その後行われた懇親会で、興味を持った学生が生産や流通について農家の方に進んで質問していたのが印象に残っています。岩手大学は盛岡高等農林学校の流れを汲んでおり、近隣の農家とは古くからの繋がりがあります。それを生かして体験会をより充実したものにしていきたいです」。 生協学生委員会では昨今この活動に注力しており、これまで年3回ほどだった産地体験会が、去年は倍以上の回数行学食に食材を提供している農家と交流する「産地体験会」。学生主導で行なわれているこの活動は、岩手大学生協の「地元のおいしい食材を食べて、食に興味を持ってほしい」という学生への期待から生まれました。岩手大学 生協学生委員会地元食材の魅力に触れ、食育の第一歩を踏み出す岩手大学生活協同組合の宍戸研専務理事。オーソドックスな定食や丼ぶりなど、岩手県産米が使われるメニューは多くあります。左から髙橋幸恵さん、佐藤結佳さん。昨年度の田植え体験の様子。12

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