vol71
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「食育館」は食育の道場 お陰様で中村学園は平成26年に創立60周年の節目を迎えました。そのような中で本学「食育館」がオープンして7年目を迎えております。平成17年3月に発生した福岡県西沖(玄界灘)の地震被害により本学も食堂を含めた校舎の建て替えを余儀なくされ、新たな学生食堂「食育館」が設立されるに至ったわけです。設置に当たっては本学中村量一理事長の食にかける情熱と、その思いから「日本一の学生食堂」を造るとの方針が出されました。「日本一の学生食堂」「食の自己管理能力」とは? 本学学生食堂が目指す「日本一の学生食堂」は、「管理栄養士・栄養士を養成する学部・学科を持つ教育機関の使命を果たす『食育推進日本一』の学生食堂」です。名称も食育を推奨する施設として「食育館」となりました。そのコンセプトは、本学で学ぶすべての学生が「健全で豊かな食生活を送るために必要な『食の自己管理能力』を養う食育の場」としています。 「食育館」での毎日の食事を通して、学生たちは食を選ぶ「選択力」を培いながら食の営みの自立を目指します。具体的な取り組みとして、「食育館」の定食の基本は栄養バランスに優れた「一汁三菜」【主食(ごはん)、汁、おかず三種(主菜、副菜、副々菜)】とし、レシートには食育を推進する基本的なツールである〝食事バランスガイド〞(※)を表示することで、食事バランスをチェックする機会としています。「何を」「どれだけ」「どのように組み合わせて」食べたらよいのか――その知識と実践力を身につけるための工夫です。 これらの取り組みを推進するため、「一汁三菜」定食の購入者には、栄養バランスに優れた健康的な食生活を営んでいるという観点から、学生証の提示で大学側から100円を補助しています。また、単品のアラカルト(丼ものやラーメン・うどんなど)を選んだ場合でも、汁物や主菜、副菜などを組み合わせて「一汁三菜」の食事形態を取り入れた場合には、同じく100円の援助をしています。栄養のバランスを考えた食の「選択」ができることこそ、まさしく行動変容に結びついた「食の自己管理」の実践です。開設当初(平成20年)は60%程度であった「一汁三菜」の提供率は、平成26年には80%に上がっています。一方では、学生の食事履歴をデータとして蓄積し、個人の食事アセスメントに役立てながら食生活を振り返ることができる、健康管理に向けた食育支援システムを構築しています。 その他「食育館」では食教育の取り組みとして「食育の日(毎月19日)」や「行事食(ひな祭りなど)」、さらに地産地消を促す地元食材および各地の郷土料理を活用した「副菜の日」など、さまざまな食にまつわるイベントを実施することで、食に関する食の「選択力」を、健康な学生生活に繋げよう― 中村学園「食育館」の事例から ―寄稿●1寺澤 洋子中村学園大学短期大学部 食物栄養学科 教授「何を」「どれだけ」「どのように組み合わせて」食べるかを選択できる、食の自己管理能力。「将来は現在の延長線上にある」という自覚を持って、「良い食事」を実践しましょう。学食は食育の場である明日への視点自分を育てる学生生活の過ごし方14〝食の自己管理能力〟を身につける※食事バランスガイド: 1日に「何を」「どれだけ」食べればよいかを考える際の参考になるよう、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストで示したもの。厚生労働省・農林水産省作成。7

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