IKUEI NEWS Vol.70
7/44

してきています。サークルや部活に参加していれば、模擬店や運営への参加機会もありますが、特に大学にコミットしていない学生にとっては、一橋祭開催期間はただの休日です。昔のような学生が盛り上がる空気感は希薄で、サークルに入っていない学生の足が遠のいているのが課題になっています。横川 筑波大は逆に学生参加率が高く、学園祭期間は近隣の学生アルバイトが不足するほどです。 全体的な学園祭の潮流としては、講演会や理系学部による展示などの真面目な企画が増えてきているように思います。前川 加えて、大学によっては学外の人が集まる機会をオープンキャンパス的に捉えて、大学の広報部門と協力することもあります。多くの大学で、来場者の中で大きく伸びている非学生を意識しているようです。僕の大学の場合、一橋大ならではの企画や著名な教授の講演などを希望する来場者が多く、企画の段階から来場者の目は必ず意識します。横川 キャンパスツアーや受験生と現役大学生の交流コーナーなど、学生確保を目的とした企画も多くなっています。しかし、大学広報から企画内容の提示があっても、実際の運営は委員会に任せられています。 最近はゴミの分別やバリアフリーなど、社会問題への対応も大きなテーマです。そのうちグローバル化の影響で、トイレの表示などに英語表記が義務づけられたり、多言語での来場者対応が求められたりするかもしれません。前川 実行委員の仕事を通じて、常に周りの人を意識して行動できるようになったと感じています。学園祭は来場者不在では成り立たないものなので、ご満足いただくための企画、来場しやすい運営など、来場者第一に考え、企画・運営にあたりました。また、自分の担当した仕事は自分一人では完結せず、委員長や広報・企画のエキスパートの力を借り、さらに多くの下級生委員の支援があって初めて成し遂げられました。本当の意味で仲間と協力して物事を実現していくという過程に取り組めることが、学園祭実行委員として学び、成長できる部分だと思います。横川 実行委員会の組織は、委員長をトップにいくつかの局が配置され、その局ごとにリーダーを置くという形が多く、これは実社会の会社組織にとてもよく似ています。したがって、実行委員としての経験は社会に出てから役立つと思います。 私は大学の実行委員会では役職についていませんでしたが、関東学園祭交流会でトップの立場を経験し、後輩のモチベーションアップや業務環境改善策の考案など、社会人でないと経験しないような仕事を行いました。学園祭運営への参加は、社会が求める「即戦力」に近づく方法の一つだと思います。前川 それと、終わった後の達成感には、本当に涙が出ます。僕は3年次の一橋祭で会場の警備責任者でした。他の委員と協力して運営し、政治家の方をお迎えした講演会の最後に来場者から拍手が上がった時、やってよかったという思いと、来場者からの期待と社会的責任に応える難しさ、それを達成した時の喜びを知りました。学内のサークルや部活だけでは味わえない、学園祭を通じて成長できる部分だと思います。実戦を経験し身につく「即戦力」関東学園祭交流会関東の大学約40校の学園祭実行委員300〜350名が集い、運営・総務・企画・広報の4つのセクションで、情報共有・交流を図っている。工学院大学、東京工業大学、東京理科大学の理系3大学の学園祭で、実行委員の不足を相互扶助する目的で設立されたのがはじまり。4

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です