IKUEI NEWS Vol.70
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「太陽の獅子」(写真右)と月になった男(写真左)。獅子展示室にて。 私は「デザイン」を通して、エネルギーや健康、貧困、労働などの様々な社会問題を解決するイノベーションに貢献したいと考えている。目標のための第一歩と位置づけている卒業研究では、日本における林野火災の消火活動に着目し、文献調査から、消火活動に用いられるモノや人と、それらが果たすべき役割の関係において、効率性や多様性の点で問題を発見した。そこで、モジュール化のアプローチにより、消火活動における問題解決のための新しいシステムと、そのシステムにおいて活動する「偵察・飛行・救助・運搬・水利・放水・管理」の7つのモジュールをデザインした。 研究過程においては、相反する複数の要件を同時にデザインに取り込んでいくことが難しかった。デザインは感性やセンスに任せて行うものだと思われがちだが、私は、論理的に考えること、多角的な視点からアプローチすることを大切にしてきた。図表を用いて要件を構造化し、要件の比重や優先性を分析したり、スケッチや模型によって形にしながら必要な要件を検討したりした。一つの方法で解決できない場合は、社会・空間・時間など複数の軸からアプローチを行うことで、一つのデザイン解に収束させていった。 今後も卒業制作における経験を生かして、社会をよりよくするためのソリューションをカタチにするデザインを行っていきたい。九州大学 芸術工学部4年 三舛 悦人林野火災における消火活動のデザイン研究 私は卒業制作として、【グネシュ・クラル「太陽の獅子と月になった男の話」】というタイトルでオリジナルの獅子舞と、獅子にまつわる物語を創作しました。 卒業制作展とは、卒業生にとって学生生活最後の集大成であり、同時にこれからの活動の布石となる一大イベントです。このハレの場、祭典ともいえる展覧会を、美術館を訪れるお客さんにもお祭りとして楽しんでもらいたいと考え、獅子舞をモチーフに選びました。 私は以前から、演劇やパフォーマンスに興味があり、お客さんと直接触れ合いコミュニケーションを図ることを大切にしてきました。そこで今回は卒業制作展の会期中、毎日会場に獅子舞として登場し踊りを披露しました。すかさずカメラを構える人、驚いて泣いてしまう子ども、帽子を取って獅子に頭を下げてくれるおじいさんなど反応は人それぞれで、演じていてとても面白かったです。 制作に当たって初めて使った素材もあり、扱いに慣れるまで苦労しましたが、手探りで作っているうちに自分なりに答えを見つけられたかな、という感じです。 グネシュ・クラルは役者さんをはじめ、多くの人の協力の上に成立した作品だと感じています。自分の考えたものが他の人たちの手で動き始めた時は、とても不思議で、そして壮快でした。この経験をこれからの研究、制作に活かしていきたいと思っています。愛知県立芸術大学 美術学部4年 岡 ひかりグネシュ・クラル「太陽の獅子と月になった男の話」デザインした7つのモジュール(正面)の3DCG画像。放水モジュールを装備した管理モジュールの3DCG画像。38

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