IKUEI NEWS Vol.70
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思わず家族と抱き合った受賞の知らせ 忘れもしない去年の8月29日、午後7時ぴったりにかかってきた電話。受話器の向こうから『優秀賞』という言葉が聞こえた瞬間、そわそわしながら私を見守っていた両親と弟に向かってガッツポーズ。電話を切ったあとはもうなりふり構わず狂喜乱舞していました。嬉しくて嬉しくて、家族全員とハグ。父と抱き合ったのなんて、もしかしたら小学生ぶりだったかも。 「このミステリーがすごい!」大賞か、江戸川乱歩賞。ミステリー界の二大新人賞のどちらかを受賞して小説家デビューするというのが、高校生のときからの夢でした。そして大学四年生で、「このミステリーがすごい!」大賞への二度目の応募で優秀賞をいただくことができました。 物心ついて間もない頃から、絵本ばかり読んでいる子どもでした。初めて作家を志したのは幼稚園の頃で、電通育英会の面接を高3の夏に受けたときも、いくつか挙げた将来の夢の中に作家というのを入れた記憶があります。幼い頃から一貫して抱いていた夢だっただけに、今回の受賞とデビューは信じられないくらい幸せな出来事でした。自分の大学生活も反映させた受賞作 受賞作『いなくなった私へ』(2015年2月10日発売、宝島社/受賞時『夢のトビラは泉の中に』より改題)は、超自然的な特殊設定と、本格ミステリーを組み合わせた作品です。人気絶頂のシンガーソングライター・上条梨乃は、気がつくと渋谷のゴミ捨て場に倒れていた。素顔を晒しているのに、周囲の人間は彼女を上条梨乃だと認識せず、さらにビルの電光掲示板には、梨乃が自殺したというニュースが流れていた。そんな中、ただ一人梨乃の存在に気づいた大学生・優斗と、同じ状況に投げ込まれていた小学生・樹と出会い、梨乃は二人とともに事件の謎を探っていく――。そんな物語です。ミステリーとしてだけでなく、爽やかな青春小説、音楽小説としても楽しんでいただけることを目指して書きました。 この作品は、大学二年のときにプロットと冒頭を考え、大学三年の春休みから大学四年の初めにかけて一気に書き上げたものです。自分自身の大学生活を細かいところに反映させた小説としても、個人的に思い入れがあります。より幅の広い作家を目指して 今後は、自分一人で書き上げたデビュー作とは違い、担当編集さんと話し合いながら作品を書いていくことになります。その上で、今回のような特殊設定のミステリーだけでなく、多岐に富んだジャンルの話を書いていければいいなと思っています。書店で見かけたら、ぜひお手にとってみてくださいね。東京大学 法学部4年 辻堂 ゆめ(ペンネーム)第13回「このミステリーがすごい!」大賞で優秀賞を受賞「奨学生のページ」は奨学生の活動について報告するページです。今回は第13回「このミステリーがすごい!」大賞で優秀賞を受賞した辻堂ゆめさんによるレポートと、2014年度に芸術系学部を卒業した奨学生4名の卒業制作を紹介します。授賞式の様子。子どもの頃からの夢を叶えた作家デビュー辻堂さんの小説『いなくなった私へ』を先着20名の読者に無料で進呈します。希望者はinews@dentsu-ikueikai.or.jpまで、郵便番号・住所・氏名・電話番号を記入の上、お申し込みください。なお、当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。36

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