IKUEI NEWS Vol.70
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学生という肩書は「パスポート」おもいっきり利用した方がいい 学生団体の代表として活動した1年間。実行委員会をまとめあげるのはもちろんですが、外部との橋渡し役も大事な仕事。1日の半分は学生メンバーと会議、残りの半分は学生代表として大人の方々に挨拶回りする日々でした。例えば協賛金集めのために京都の地元企業の社長さんにお願いして回ったり、行政と連携していくため京都府知事や市長と意見交換したり……。 あの頃は当たり前だったので気づきませんでしたが、社会人になった今はよく分かります。学生という肩書はパスポートのようなものです。持っているだけで、色々なところに出入りできる。色々な人の話を聞くことができる。よく、「東京の学生は社会人と知り合う機会が多くて羨ましい」と言われます。これは、おそらく東京に限ったことではありません。気をつけて欲しいのは、あくまで「パスポート」であって、「チケット」ではないということです。持っているだけで誰かが目的地まで運んでくれることはありません。自分で行動する人にだけ、壁を乗り越える手助けをしてくれる、そんな存在なのです。学生が成長する最短ルートは、まず「大人と渡り合う」べし 突然ですが、就職活動に強い人って、どんな学生だと思いますか? 留学とか資格とか、明確なアピールポイントがある人、リーダーを務めていた人、美男美女……。経験上、就活に強いのは「大人慣れした人」です。大人に慣れているから、面接でも普段どおりの自分を発揮することができ、どういうエピソードが心に残るかも掴んでいる。結果、就活で結果が出やすくなる。学生発のイベントを企画すると、この「大人慣れ」はメキメキと磨かれます。 異なる年代の大人たちと会話するうち、共通の話題がないことも多々あります。空気を読む、そんな曖昧なものでは通用しない。渡り合うためには、精緻に相手のことを観察し、情報を得て、そこから想像力を働かせて相手の心が動きそうなポイントを探っていくことが必要です。「想像力と観察力」がさらなる成長の鍵 この想像力と観察力は、社会人になってどんな仕事に就いたとしても生きてきます。社会人にテストはありません。偏差値もありません。明確なものさしは存在せず、自分が今どのレベルなのか判断できません。したがって、相手の気持ちを想像し、なりたい自分を想像し、足りないスキルを整理する。その上で、高い観察力を用いて優れた先輩の技術を盗んでいく。広告を通じて1億3000万人の国民を相手にするようになった私もそうです。想像力がなかったら、自分がターゲットではない商品を広告することはできません。観察力がなかったら、発見のない薄っぺらな広告しか作れません。 学内イベントを通じて、外の社会と向き合い、自身の想像力と観察力を磨き上げていく。そんな経験は、きっとこれからの皆さんの人生において「切り札」となるはずです。藤田 卓也(ふじた たくや)1987年生まれ、広島県出身。2006年京都大学工学部入学。東京大学大学院工学系研究科を修了後、2012年㈱電通入社。コピーライターとして、コピーやCM制作だけでなく、デジタル領域の企画なども手がける。受賞歴にヤングカンヌ国内予選ファイナリスト、my Japan award最優秀賞など。8

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