IKUEI NEWS Vol.70
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学生が作り上げ、20万人を集めた日本最大級のお祭り 十月、初秋の京都。紅葉が色づき始める少し前。夜はもう刺すように肌寒いのですが、その夜の平安神宮だけは違いました。フィナーレをひと目見ようと集まった数万人の熱気。満月に照らされ、今か今かと待ちわびている観衆の笑顔を見た瞬間、僕はぼろぼろと泣いていました。声を出して泣いていました。この景色が見たくて、これだけの人を熱狂させたくて、僕は2年以上も頑張ってきたんだ。ようやく報われた気がしました。スタッフの一人が、挨拶の出番だと合図に来ました。あふれる涙を慌てて拭い、僕はフィナーレの開幕を告げにステージへと踏み出しました。 このとき私が代表を務めていたのは、京都学生祭典というお祭りの実行委員会でした。京都学生祭典とは、簡単にいえば合同学園祭。京都という街には50を超える大学が集まっており、その密度は日本一。学生の街として、京都を学生の熱気とパワーで盛り上げようではないか。そんなミッションを背負って生まれました。 踊りコンテストあり、メジャーデビューを懸けて競い合うバンドコンテストあり、縁日あり、となんでもありなお祭りなのですが、その凄さは「隅から隅まで学生が作っている」という点にあります。2日間で20万人近くを動員するメガイベント(日本最大の学園祭である早稲田祭が2日間で16万人だそうです)にも関わらず、企画運営・資金調達・広報・総務はもちろん、当日の警備計画なんてものまで学生が中心となって作り上げます。学生の力を、誰よりも学生たち自身が信じている、そんな前向きなパワーに満ちたお祭りなのです。「他の京大生に、差をつけられること」で選んだ学生団体 私は大学1回生のとき、新歓でこのお祭りを知りました。既に大学で授業が始まって半月ほど経った頃でしたが、挫折寸前でした。広島の田舎から出てきた僕でも知っている超有名進学校をトップクラスの成績で卒業した天才たち、早くも将来の夢に向かって語学や資格勉強に励むクラスメイト……僕の頭の中は危機感でいっぱいでした。とにかく、他の京大生がやっていないことをやって、差別化しなければ……と。 そんな時に出会ったのが京都学生祭典でした。京大生ながら、京大以外の大学生とも知り合える。規模も京都ナンバーワン。すぐに参加を決め、1年半スタッフとして活動したのち、先代の実行委員長から指名され第5代実行委員長として300名以上の学生実行委員を率いることになりました。そして冒頭のエピソードに至るわけです。僕が京都の学生祭典で学んだこと寄稿●2学生生活のあいだ1㎜でも多く成長したいと願う君へ、「学内イベントの企画・運営」のススメ藤田 卓也電通 コピーライター学生という肩書は、自分で行動する人を応援してくれる「パスポート」。大人と渡り合える想像力と観察力を磨くことが、皆さんの「切り札」です。明日への視点学内イベントを企画・運営する自分を育てる学生生活の過ごし方137

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