IKUEI NEWS_69
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今なぜアクティブラーニングが必要なのか社会が求める人材への自覚「楽な単位の履修」からの脱却【図1】 社会人基礎力の3つの力前に踏み出す力(アクション)主体性働きかけ力実行力課題発見力計画力創造力発信力柔軟性規律性傾聴力情況把握力ストレスコントロール力考え抜く力(シンキング)チームで働く力(チームワーク)出典:経済産業省ホームページより抜粋 社会に出る人材に期待する能力を表す「社会人基礎力」という言葉があります。経済産業省ではそれを「前に踏み出す力(アクション)」、「考え抜く力(シンキング)」、「チームで働く力(チームワーク)」の3つの大きな力で表現しています(図1)。これらの要素となる個々の力は、いずれも大学の講義形式の授業で知識を蓄えるだけでは身につきにくいものです。 例えば、「物事に進んで取り組む力」と定義される「主体性」は、自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む能力です。これは、ただ待っているだけでは発揮することができません。また、「現状を分析し目的や課題を明らかにする力」と定義される「課題発見力」も、自らの明確な問題意識があって初めて発揮されます。 このように「社会人基礎力」を身につけるためには、自主性・積極性を発揮できる環境が必要なのです。 大学生は、高校での勉強時間の多くを大学受験のために使ってきました。試験対策に時間を費やし、とにかく少しでも多くの知識を詰め込むことに努力してきました。では、めでたく合格し大学生となった後、どんな方法で勉強しているのでしょうか。そしてそれは社会が求める力を満たし得るものなのでしょうか。 ベネッセ教育総合研究所の「第2回大学生の学習・生活実態調査」(2012)によれば、実に72%の学生が、「大学では答えのない問題について、自分なりの解を探求する学びが重要だ」と考えており、「課題発見力」に対する意識については期待が持てる結果となっています(次ページ図2)。 しかしその学び方については、「教員が知識・技術を教える講義形式の授業が多いほうがよい」が83・3%で、「学生が自分で調べて発表する演習形式の授業が多いほうがよい」の16・7%に大きな差をつけています。 一方で単位の取得については、54・8%の学生が「あまり興味が無くても、単位を楽に取れる授業がよい」と単位優先を明言しています。そのため、授業の単位取得についても、70・2%の学生が「出席や平均点を重視して成績評価をする授業がよい」と考えており、「定期試験や論文・レポートなどを重視して成績評価をする授業がよい」の29・8%を大きく引き離しています。大学生の授業への高い出席率がこれを証明しているといえます。 これらのことからうかがえる大学生の授業への参加姿勢は、何はともあれ単位をとること。自らが問題意識を持って取り組む授業や好きな科目よりも、教授の一方的な講義が中心の、出席して平常点を稼げば単位を取得できる授業を優先していることが分かります。2

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