IKUEI NEWS_69
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衆議院議員、第95代内閣総理大臣野田 佳彦総理公邸に住むことの意義 昨日衆議院が解散となり他の予定は全てキャンセルしましたが、次代を担う奨学生の皆さんとの責任を果たすため、この講演だけはしっかりお話させていただきます。 幼い頃から政治に関心があった私は、早稲田大学の政治経済学部を卒業後、松下政経塾に一期生として入塾。卒塾後、千葉県議を経て衆議院議員になり、2011年9月2日に第95代内閣総理大臣に就任したのは皆様ご存知の通りです。  総理在任期間中には官邸から徒歩0分の総理公邸に、妻と2人の子どもと住んでいました。旧官邸を移設して建てられた公邸は、虫も出ますし、部屋が多く掃除が大変でした。警備が厳重で出入りもままならず気楽にコンビニに行くこともできませんでした。 公邸に住まない総理もいますが、私は住むべきだと考えています。総理の仕事で最も迅速な対応が求められるのは非常事態における危機管理です。大災害やテロが発生すると、全ての情報が官邸に集約され、そこから指示を出すことになります。その時に、指揮を執る首相がいなくては為す術がありません。各国の例を考えても、アメリカのホワイトハウスをはじめ、首脳陣は職住近接が基本です。これこそ、国家の一番の危機管理対策なのです。各国首脳とフレンドリーになるための工夫 外交は外務省だけでなく、総理大臣の仕事でもあります。私は任期中、月に一度G7などの国際会議に出席していました。さらに国内でも、3日に一度は各国要人との会談がありました。 外交の中でも特に大事なのが日米関係です。オバマ大統領は、極めてビジネスライクで合理的な人です。初めての首脳会談では、日米の課題について徹底的に暗記し、メモなしで丁々発止の議論を展開し、実務面での信頼を得ました。2度目の会談では、オバマ氏の高校時代の親友のお母様が作ったチョコレートクッキーをプレゼントしました。 また、各国首脳との雑談で盛り上がるのが、サッカーとお孫さんの話です。これらの話題には常に精通しておく必要があります。「なんでそんなことを」と思われるかもしれませんが、お互いの信頼がなければ、国益をかけた議論はできません。フレンドリーになるための工夫が外交には必要不可欠です。日本の最高責任者として 総理大臣は日本国民1億2000万人の代表であり、さまざまな問題に最終決断を下す責任者です。後ろにはもう誰もいません。可否同数のテーマを自ら決断し、たとえ国民に不人気な政策であっても、国家の存続に必要であれば実行する道を選ばなければなりません。 あらゆる政治の責任が、最終的には内閣総理大臣のもとに集まります。それを背負い決断する。それが適わなければ責任を取るしかありません。「責任」こそが、まさに総理大臣のキーワードだと思います。 最後に若い皆さんにお伝えしたいのが、ぜひ選挙に行っていただきたいということです。これからの日本を支えるのは、投票率の高い中高年世代ではなく、ネクスト・ジェネレーションの貴方たちです。皆さんが政治に関心を持って投票所に行くことが、これからの日本にとって何よりも大事なことだと申し上げておきます。奨学生の集い・講演要旨野田政権482日間を振り返って1957年、千葉県生まれ。57歳。1980年、早稲田大学政治経済学部を卒業後、(公財)松下政経塾に入塾。千葉県議会議員を経て、1993年に衆議院議員初当選。以降、民主党国会対策委員長、財務大臣等を歴任。2011年9月2日、第95代内閣総理大臣に就任。2014年、衆議院議員7期目当選。民主党最高顧問。野田 佳彦 (衆議院議員)32

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