IKUEI NEWS_69
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 もっとも、こういったポシティブな学生がいる一方、「高い授業料を払って、知識を身につけるのは自分次第というのは納得できない。僕は講義だけのクラスを選んでいる」という批判組もいる。また、教授の中にもこの新しい動きに反対して、いまだに伝統的な講義を中心にしたクラスを持っている人もかなりいると、ロサンスキー博士は告白する。「私の大学では、未だに講義型の授業が90%を占めるだろう」と言うのは、ブリガムヤング大学アイダホ校(以下BYU‐Iと略)の理事長ヘンリー・エイリング。BYU‐Iのラーニング・モデル UConnだけでなく、コーネル大学、ミシガン州立大学、ミネソタ大学、スタンフォード大学、ボストン大学など、アクティブラーニングを導入することに積極的な大学は他にもたくさんある。中でもBYU‐Iは、2005年にハーバード大学ビジネススクールの学部長だったキム・クラークを学長に迎えて以来、ハーバードのコンセプトを土台とした「ラーニング・モデル」なるアクティブラーニングを全面的に導入している。「最も効果的な方法は、毎年入ってくる新入生たちに、この学習方法を身につけさせること」と、同校の理事長ヘンリー・エイリングは言う。 事実、ここ数年の間に、同校の新入生について次の5つの成果が報告されている。 エイリングは、「初めて親元を離れ、知らない環境に入る新入生にとって、アクティブラーニング・メソッドは友人を作ったり、自分の環境に順応したりするために非常に役立つ。同時に、初年次に学んだことがしっかりと身につくので、卒業にこぎ着ける学生の数も増えている」と、さらなる効果についても語ってくれた。日本とアクティブラーニング 数年を日本で過ごしたことのあるエイリングは、日本の高等教育にアクティブラーニングが導入されれば、「おそらく成功するだろう」と言う。アクティブラーニングが、1960年代に米国の学者ウィリアム・エドワーズ・デミングが戦後日本の復活を助けるために導入したクオリティ・コントロール・サークル活動(QC活動)と似ているからだと言う。「QC活動は、同じような仕事をしている労働者が頻繁に集まり、職場の問題とその解決法を話し合うシステムだ。いま米国の大学が普及させようとしているアクティブラーニングも、ある意味ではQC活動と似ていると言えるだろう。日本の大学の中にアクティブラーニングを本気で導入する努力があったら、大きな効果が上がるはずだ」と、エイリングは信じている。ブリガムヤング大学アイダホ校のアクティブラーニングの様子。学部・学科・学年を問わず、さまざまな形の学習法で学生同士が学び合っている。ブリガムヤング大学アイダホ校の理事長、ヘンリー・エイリング。アクティブラーニングの効果を信じ、全面的に導入している。日本に滞在したこともあり、「日本のQC活動とアクティブラーニングのコンセプトはよく似ている」と言う。同級生とクラス以外の場所でアイデアや読書に関するディスカッションをしている。授業中に他の生徒と影響を与え合った。同級生とクラス以外の場所で一緒に勉強している。クラスでしばしばプレゼンテーションをする。ボランティア活動やコミュニティ・サービス(社会奉仕活動)に従事している。……73%……52%…………69%……37%……10%①②③④⑤30

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