IKUEI NEWS_69
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--------法政大学の精神である「自由と進歩」は、現在の大学運営にどう関わっているのでしょうか。 「自由と進歩」は、教員と学生の中にしっかりと受け継がれています。本学の教員は、学生が持っている能力や好奇心を大切に考え、それぞれが持っているものを伸ばすことに熱心です。そうでない教員には、学生が意見を言うという傾向もあります。 私は受験勉強をほとんどしませんでしたが、法政大学に入ってから好きな勉強ができました。それを叶えてくれた学風が伝承されてきています。 ただ、現代の「自由」が、消費する自由とでもいうべきか、かつてと違ってきていることを感じます。「自由」というのは本来、国家からの自由、組織からの自由、お金に絡め取られない自由などを指していました。 法政大学は1880年、自由民権運動の中で創られた大学です。「進歩」の真の意味は「近代化」ですが、今は違います。私が考えている進歩とは、持続可能な社会、バランスの取れた世界に向かっていくことです。自ら設定した目標に向かって進むことこそ、真の意味での「進歩」ではないでしょうか。--------2000年前後から学部の新設が相次ぎました。目的や学生の受け止め方などをお聞かせください。 学部新設は時代の変化に応えるためです。現代福祉学部は福祉に将来性を感じる学生が多い学部です。心理療法士などの資格を取得し、卒業後は福祉の世界でリーダー的な立場に立つことになります。スポーツ健康学部は、病気の治療ではなく予防を考える学部です。これらは既存の学部から分岐し、新しい社会の目標・要請に沿って誕生した学部です。目的が非常に明確なので、学生が将来を見据えて選択できることが特徴です。 キャリアデザイン学部は、設立した当初は馴染みのない名前でしたが、今では大学の就職部が軒並み「キャリアセンター」になり、分かりやすい名称になりました。この学部では、自分たちのキャリアだけを考えるのではなく、キャリア形成を指導できる人材を育成しています。 学部新設のきっかけの一つは教養部の改組です。法政大学の教養部は2002年から改組が始まり、その過程で教養部の先生方の専門を活かした学部を作る、という方針で進められました。その際、今の時代に何が必要かを追求した結果、ご紹介したような学部が作られたのです。語学を担当する教員が中心となり、他大学の同系統学部に比べて早い時期に創設された国際文化学部や、英語だけで講義するグローバル教養学部なども、まさに社会から必要とされている学部だと思っています。時代に即して脈々と受け継がれる「自由と進歩」の学風前身の東京法学校時代に教頭を務めたボアソナード博士の像。市ケ谷キャンパスでもっとも新しい外濠校舎。海外の130大学から留学生を受け入れており、日本の学生との交流の機会も多く設けられています。22

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