IKUEI NEWS_69
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 この授業は、15〜30分の事前学習動画を見るところから始まります。動画を見ながら解説された内容の要点をまとめたノートを作成し、授業の冒頭にノートのチェックを受けます。授業は動画の振り返りと質疑応答に始まり、その後演習問題に取り組み、周囲の人と課題について意見交換するグループワークに入ります。その後、各グループが自分たちなりの解答をプレゼンテーションし、先生が解説したあと次の問題に移ります。この演習のタームを授業終了まで繰り返していきます。 今までに経験したことのない反転授業という新しいスタイルの授業で、学生たちは何を学び、どのように自らの成長へと繋げていったのでしょうか。昨年度の情報通信の授業を受講した学生2名にお話を伺いました。 工学部4年生の田村卓也さんは初めて反転授業を知った時、「良い勉強法を教えてもらった」と、その効果について語ってくれました。 「動画での事前学習には、教科書と違い要点が絞られていて分かりやすく、何度も見直せるというメリットがありますし、授業時間中のグループワークでは、相手に理解させるためにグラフや絵を使って説明する能力や人前で話す力が身につきました。事前学習をやらずに授業に出席したことがあったのですが、案の定授業についていけず、他人から教えてもらうばかりの自分に疎外感や引け目を感じ、次回からは必ずやるようになりました。反省点はグループワークで親しい人同士が集まってしまったこと。もっと色々な人と組んで、多様な価値観に触れるべきだったと感じています」。 また、工学部4年生の戴崧元さんは、「自らの考えに責任感を持つ」ことができるようになったと語ります。 「他人に自分の考えを伝える時、もし自分の考えが間違っていると他人やグループ全体を巻き込んでミスリードしてしまうことになるので、自分の考えに責任を持って慎重に思考するようになりました。反転授業の利点は、他人への説明を要するグループワークのおかげで、講義を聞くだけの勉強よりも知識が頭に入りやすいこと、そして説明する相手の知識レベルを考慮して説明の内容を変えるなど、考えを相手に伝えるための工夫をするようになることだと、個人的には感じています。全てが反転授業になったら予習が大変ですが、効率のよい反転授業が好きなので、もう少し多くてもいいと思っています」。発展性の高い授業法としてさらなる浸透を目指す 山梨大学の全講座における反転授業の割合は1割に届きません。これから塙教授は、この取り組みの可能性を信じ、さらに広めていくと言います。 「現状ではこのスタイルの授業を増やしていって、互いに協調しながら行う授業に慣れてもらうというのが第一のステップです。反転授業には多くのメリットがありますが、課題もあります。動画の収録配信システムには未だ課題がありますし、事前学習をいかに徹底するか、最適なグループ編成や評価の方法をどうするかも定まっていません。また、成績だけでなく主体的に学ぶ姿勢や、協調的な学習の成果をどう評価するか。この辺りは、教育専攻の先生方と協力関係を築く中で考えていかなければいけません。反転授業を通じて主体的に学ぶ姿勢が身についたら、次のステップでは自分から本を読むなどして学べるようになって欲しいと思っていますが、まずは従来の一斉講義型に比べて発展性の高い授業方法だと信じ、普及に努めていきます」。工学部4年生の戴崧元さん。工学部4年生の田村卓也さん。実践事例学生を育てるアクティブラーニング型授業山梨大学では、反転授業の概要をまとめた動画を作成するなど、さらなる普及を目指しています。 参考:http://youtu.be/HrnHTrPPNRAタイ ソー ケン16

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