IKUEI NEWS_69
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アクティブラーニング型授業を履修する明日への視点学生のジェネリックスキルを向上させるアクティブラーニング型授業 アクティブラーニング型授業は、「思考を活性化する授業形態」を広く指し、左図に示すような様々な工夫が含まれる。典型的には、主に医学系の問題基盤型学習のように、既有知識を動員して問題事例の解決に向かいながら新たな知識を補うものや、工学系のものづくり実習や経営学系のビジネス実習のように、特定のプロジェクト活動を通して創造的問題解決を行うものを指す。そこで目指されるのは、いわゆるジェネリックスキル(汎用的技能)と呼ばれる主体性・コミュニケーション力・課題発見力・チームワークなどの、職業領域を問わず社会生活上重要な技能の向上である。これらの学習は専門知識と異なり座学だけで対応できるものではなく、実活動を通した体験と振り返りが不可欠である。 ジェネリックスキルの中でも、特に学習活動との関連では、「主体的な学び」の促進が今日のテーマとなっている。そこで本稿では、この「主体的な学び」に焦点を当てる。 そもそも「主体的な学び」とは何を意味するのだろうか。これは、自律的な学び、つまり授業で求められる学びを自分でマネジメントして進めていくということ以上のものであろう。実際のところ、今日の大学教育では「主体的」と「自律的」は同義で使われていることが多いのだが、それでも敢えて「主体的」というからには、そこに込められた意味をはっきりさせておくことが必要と思われる。主体的な学びを成立させる2つの条件 ここでは、主体的な学びの必要条件を2つのキーワードに求めたい。第一に「セルフ・コンテキスト」、第二に「対話的思考力」である。 セルフ・コンテキストは、文字通りには「自分にとっての文脈」であり、授業の中で取り組む課題を、いったい自分はどのような意義をもつ課題として位置づけるのか、という問いに関わる。多くのアクティブラーニング型授業において、教員は学生たちの生活や関心事、あるいは社会に出る準備などとできるだけ関連させて学習課題を設定しようとする。しかし、実際にそれを自分にとって意義のある課題と引き取って学びのエンジンをかけるのは、学生自身である。これが成り立つには、学生の側ですでに大学での学びの目的や位置づけがある程度明確になっていることが前提となる。 もしもそうした大学生活の方向性がはっきりしていない場合は、その一つの探索機会として授業アクティブラーニングが主体的な学びを育む道筋寄稿●1「大学生活の方向性の明確化」と「他者との濃密な対話」が、学生を主体的な学びに導く山地 弘起長崎大学 大学教育イノベーションセンター教育改善部門長/教授主体的な学びの成立に欠かせない、「セルフ・コンテキスト」と「対話的思考力」。アクティブラーニングでそれらを引き出せば、学生間で学びを支え合う風土が出来上がる。図 アクティブラーニングの多様な方法狭いフィールドワーク実習シミュレーション・ゲームケースメソッド問題基盤学習授業外学習振り返りシート(グループ学習)レポート・ライティングディベートプレゼンテーション低い高い広い構造の自由度活動の範囲クリッカーミニテスト実験 調査演習応用志向表現志向知識の定着・確認をめざす知識の活用・創造をめざすプロジェクト学習創成学習自分を育てる学生生活の過ごし方7

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