IKUEI NEWS vol59
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24ミッションは知的で健康な大都市のサポートクリティカル・シンキングで質の高い学びを------大都市・東京の公立大学である首都大学東京の役割についてご紹介ください。 首都大学東京は、7年前に4つの都立大学が合併して誕生しました。東京都が目指したのは、4つの大学を再編・統合して、大都市に関する教育・研究をする新しい大学を作るということでした。 そこには、東京都の納税者にサポートされている大学という基本的な概念があります。ですから、世界を代表する大都市・東京の理想像を追求するというのが設立の理念です。 大都市の一番大きな特徴は「環境」です。東京は大都市としては空気も水もきれいですし、緑も多く素晴らしい環境です。唯一、電信柱が林立している点を除けば(笑)。また「知的な社会」である、つまり教育レベルが高いのも大都市の特徴です。それから、大都市は「健康で長寿」でなければならない。 これらをサポートするための「教育」と「研究」を、どちらに偏ることもなく行っていく大学であること、それがつまり世界共通の〝ユニバーシティ〞の概念でもあるわけですが、そうあり続けることを目指しています。これは当然のことであり、また非常に重要なことでもあります。------高等教育機関としての大学の役割について、学長のお考えをお聞かせください。 高校教育までは真実と思われることを教えます。しかし、大学は教育と研究を共に行う場所であり、真実をつくる側ですから、高校までとは本質的に違う。それが大学教育の最大の特徴です。 人格の完成期である20歳前後に高等教育を学ぶのは合理的なことですが、実は大学教育発足以来、人間の平均寿命はほぼ倍になっています。しかし、寿命が倍になったのに教育システムの修正は行われてきませんでした。変わったのは、多くの人が高等教育を受けるようになったということだけです。どこかでシステムを見直す必要があると思います。 高等教育の期間や質を見直すには2つの方法があります。一つは、より深く学ぶということ。ドクターやマスターに進学すると、27〜28歳、あるいは30歳近くまで学びを深めることになります。 もう一つは、ある段階でそれまでとは別な専門科目を選択しなおし、より視野を広げることです。工学系と文化系の両方を学ぶのもいいし、医学とITなど異なる専門分野を多重的に学ぶのもいいと思います。私は電気・電子工学をやってきましたが、本当は作家になりたかった。もう少し若ければ作家のための勉強をやり直すことも可能だったのではないかと残念に思います。開放的なアーケードが広がるインフォメーションギャラリー。図書館は東京都民なら誰でも利用可能。------大学でいかに学ぶべきか、学長のお考えをお聞かせください。 大学の存在意義には、学問をつくる「研究」と、学問を教える「教育」とがあります。新入生の最初の教育はトレーニングです。とにかくトレーニングして大学での学び方を体で覚えることです。もう一つは、クリティカル・シンキングです。人の話を聞いたら必ず自分の意見を言うことです。これが大学生になってからの最初の教育です。 それから、教養の幅を広げることです。たいていの人は、大学入学時首都大学東京の学部構成都市教養学部都市環境学部システムデザイン学部健康福祉学部人文学・社会系法学系経営学系理工学系

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