IKUEI NEWS vol58
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2そもそもボランティアとは何か そもそもボランティアとは一体何を意味する言葉なのか。この素朴な疑問に、あなたならどう答えるでしょうか。「奉仕活動」、「人の助けになること」、「純粋な気持ちによるもの」など、人によってその答えは様々でしょう。あるいは「偽善」などと答える人もいるかもしれません。 “volunteer”という英語は、「自由意志」を意味するラテン語である“voluntas”に、人称の“er”が付いた言葉です。英和辞典を引くと、名詞として「有志者」「志願者」「志願兵」などが挙がるほか、動詞として「自ら進んでする」「自発的に申し出る」「志願する」といった意味が出てきます。また、広辞苑では、「(義勇兵の意)志願者。奉仕者。自ら進んで社会事業などに無償で参加する人」という名詞として説明されています。このことから、欧米を発祥とする「ボランティア」という言葉が、現在は日本でも馴染み深い言葉となっていることがわかります。 日本におけるボランティアの歴史を簡単に振り返ると、戦後間もない頃の篤志家による『慈善活動』、高度経済成長期の美徳としての『奉仕活動』、バブル経済期の企業による『社会貢献活動』と、そのイメージが時代背景によって徐々に変化してきたことがわかります。 1995年に阪神・淡路大震災が発生した時には、延べ人数で約140万人という日本人が「何か自分にできることはないか」と、まさに自由意志によってボランティアに参加しました。後に「ボランティア元年」と名付けられるこの年を契機に、全国各地でボランティア団体がNPO法人化するなど、その活動がより一般的に広く認知され、また継続した活動が可能になりました。1998年には学習指導要領に「ボランティア活動」という言葉が登場し、教育の中にもボランティアが組み込まれるようになったのです。 それから13年が経過した2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。今、再び「ボランティアとは一体何か」ということを考える時期が訪れています。 では、現在日本の大学ではボランティアに対してどのような取り組みが行われているのでしょうか。ここでは、日本学生支援機構が2008年に実施した『大学等におけるボランティア活動の推進と環境に関する調査結果』をもとに、その現状を見ていくことにします。 まず、学内にボランティアやNPOに関する部署がある大学などは全体の80%以上にのぼり(図1)、ほとんどの大学で「ボランティア情報の収集や提供」などが行われていることが伺えます。ただし、大半の大学のボランティア担当者は他の業務と兼務しているのが現状で、ボランティア専任スタッフを有する部署、いわゆるボランティアセンターなどの組織をもつ大学は6・3%にとどまります。 ボランティア関連の授業科目を開設しているのは320校(全体の35・4%)で(図2)、開設ボランティア活動を通じて、自分を見つめなおす大学はボランティアにどう取り組んでいるか0%20%40%60%80%100%【図1】ボランティア・NPOに関する学内対応部署の有無 なしあり無回答日本学生支援機構『大学等におけるボランティア活動の推進と環境に関する調査結果』(2008)のデータを基に編集部で作成0%20%40%60%80%100%【図2】ボランティア関連授業科目の有無 (N=903)なしあり82.435.464.617.30.3(N=903)

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