IKUEI NEWS vol58
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40中部経済圏と日本のものづくりを支える自負------ノーベル賞学者を生み出してきた名古屋大学の特徴についてご紹介ください。 創基を1871年(明治4年)の、尾張藩の仮学校設立にさかのぼる名古屋大学は、1939年(昭和14年)に7番目の帝国大学として創立され、2011年に140周年を迎えています。 総合大学化で最初に作られた理工学部は、当時、地域を支える技術者の供給を最大のミッションに掲げ、その理念は現在にも引き継がれています。今も中部地域は日本のものづくりの中心地です。中でも愛知県は製造業に関わる1県あたりの労働人口、工業出荷率で全国1位を誇り、日本のGDPを稼いでいる種目のトップ30のうち、11項目でNo.1を獲得しています。これらのデータから、今の日本のものづくりを支えているのは愛知県ということが分かります。 今、地元・名古屋の企業に就職すると、入社直後から世界中に送り出されます。それはグローバル企業に就職することと同じです。ですからそれに耐えられる人材育成が名古屋大学に課せられた使命です。学生一人一人の能力は非常に高いものがありますから、そこから異文化を受け入れ、価値観の違いを乗り越えていける能力を鍛え上げることが求められています。 日本の基幹研究大学として、今後もノーベル賞学者を生み出してきた風土を維持しつつ、超一流の研究者育成と、現場の実務をグローバルスタンダードで担える人材育成、この2つをミッションとして貫徹していきたいと思っています。------グローバル化を目指す大学として、いま最も力を入れられている取り組みをご紹介ください。 第一に若手研究者の育成です。2002年に設立した高等研究院は、研究科の枠を超えた研究専念組織として、主に3つの活動に取り組んでいます。 一つ目は優れた研究を名古屋大学に紹介し学術振興をはかること。二つ目は、特に優れた研究に対して実質的な支援を行い、研究の飛躍的向上を目指すこと。そして三つ目が若手研究者の自立支援を積極的に推進し、名古屋大学の中枢を担う研究者を育成することです。 これらの取り組みの一環として、3年前から「名古屋大学若手育成プログラム」(YLC)をスタートしています。これは本学の博士学位取得者が研究を継続していくための支援として、「名古屋大学での博士学位取得者又は取得予定者」を条件に、国内外から研究者を公募して、優秀な人材を採用するというものです。3年以内に海外に行くことを義務づけ、日本に戻ってくる時にはまたこちらで受け入れる仕組みを作っています。 また、教育面では学部学生の英語教育を強化し、短期間でも海外経験を積んでもらうように促す「初めの一歩計画」を進めています。それをマスター、ドクター、あるいは卒業後の本格的な海外経験につなげる。そこで多様な文化に触れ、吸収することで、優れた人材として成長させるプロセスを、今より一歩でも二歩でも前へ進めることを目指しています。名古屋大学のシンボル、豊田講堂野依良治氏のノーベル化学賞受賞を記念して竣工した、野依記念物質科学研究館研究室の様子

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