IKUEI NEWS vol58
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米国大学生の間でますます盛んなボランティア活動アメリカン・キャンパス・ライフ●35楓 セビル表彰される学生ボランティア ボストン・カレッジ(BC)の4年生、オニッチャ・ササポンチャイセットは、「今度はいつ来てくれるの?」と聞くパメラに、「来週の火曜日、いつものように」と答える。パメラは8才だが、まだ読み書きができない。オニッチャは毎週、パメラのような知的発達の遅れた子どもたちの施設、ホームレスのためのスープキッチン(無料食堂)、病院、孤児院の4つの施設をそれぞれ数時間ずつ訪問して回るボランティア活動をしている。これらの施設は、BCのボランティア・サービス・ラーニング・センター(VSLC)で斡旋してもらっている。 VSLCにはオニッチャのような学生が350人登録している。彼らは昨年度、総計37万5千時間もの時間をボランティア活動に費やした。その成果によって、昨年BCは政府のボランティア組織、プレジデンツ・ハイエデュケーション・コミュニティ・サービスの栄誉賞を受賞した。この賞は、全米の大学の中から、優れたボランティア活動を行なった大学に与えられる。昨年はBCと同じく栄誉賞を受賞した大学が641校。この数は2010年の受賞校数より9%増加しているという。増加する大学生のボランティア活動 米国連邦政府のボランティア・サービス機関、ナショナル&コミュニティ・サービス(NCS)の報告によれば、アメリカのカレッジ、または総合大学に通う大学生のボランティア活動への参加率は、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件以降、毎年増加しているという。実際に2000年から2005年の間に、米国の大学生のボランティア活動は20%増加しており、総計330万人が何らかのボランティア活動に従事していたとの報告がなされている。 大学生のボランティア活動が急増している理由の一つに、大学生を中心とする16才から28才までのミレニュアルと呼ばれる世代が、社会の一員として強い責任感を持っているという特徴が挙げられる。「彼らは社会の不平等に心を痛め、少しでも自分の力でそれを解決したいという意欲がある」と、ニューヨーク最大のボランティア斡旋組織であるユース・サービス・オポチュニティーズ・プロジェクト(YSOP)の副エグゼクティブ・ディレクターのジーン・ソマーフィールドは言う。YSOPは1980年、エドワード・ド13BCの4年生でタイの留学生オニッチャ・ササポンチャイセットは、週に数時間、4つの施設を回るボランティア活動をしている。一番楽しいのは、施設の子どもたちへの学習指導だと言う。ボランティア組織CtoCの活動に参加したBCの学生たち。CtoCとは「クレヨンから墓場まで」という意味で、食品から衣類、学用品など、様々な生活物資を貧困者に提供している。CtoCのロビーには、マーティン・ルーサー・キングJr.の有名な言葉「すべての人間は偉大である。なぜならすべての人が助けを与えることができるのだから」が書かれている。

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