IKUEI NEWS vol58
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には120〜150万人のボランティアが被災地で活動し、その約4割を学生が占めていたのと比較すると、今回はボランティアの総数も少ないですし、ある団体の方は学生の数も全体の1〜2割程度だと話していました。 ただ、災害時のボランティア活動における学生のパワーは非常に重要です。その学生のパワーを握っているのが大学ですが、そもそも大学は教育・研究機関であり、災害時の社会貢献を前提に組織されているわけではありません。しかし、今回のシンポジウムに参加している6大学をはじめ、腹をくくって復興支援に臨んだ大学が数多くあります。その点について、学生部長の立場から笹倉先生にお伺いしたいのですが。笹倉 早稲田大学の場合は、WAVOCというボランティア専門の部署があったことが決定的に重要でした。これまでに延べ1700名程度の学生・教職員が被災地に行っていますが、WAVOCなくして今回の被災地への貢献はあり得なかったと思います。 また、ボランティアとして向かった先に受け皿がある重要さについては、現地に行った教職員が必ず口にすることです。学生に「行きたい」と言われても、その受け皿がないとなかなか行かせることができません。安全かつ効率的な作業ができる体制が大学に備わっていたことが、非常に大きな流れを生みました。また、ボランティア活動に参加したという経験は、学生たちの成長に確実につながっています。西尾 IVUSAでは阪神・淡路大震災をはじめとして、自然災害時の学生ボランティアの派遣事業を継続して行っています。過去の事例を踏まえつつ、「学生ボランティアにできたこと、できなかったこと」という今回のテーマについて伊藤さんからお話をしていただけますか。伊藤 結論から言えば、学生は微力ではありましたが無力ではなかった、ということだと思います。 東日本大震災の被災地は、もともと学生くらいの若い年代が少ないという現状があります。彼らは高齢者の方には孫のような存在として、子どもたちにとってはお兄さんお姉さんとして馴染みやすいですし、そうした若い人たちがやってきて活動してくれる姿を見て、被災地の方が元気づけられる。これは今回に限らず、今までの災害の中でも若者や学生が発揮してきた大きな力だと言えます。 では今回の震災で学生ができなかったことは何か。西尾さんのお話にもありましたが、阪神・淡路大震災の時と比較して、今回は学生ボランティアの数が本当に少なかったのです。 その理由として、震災発生直後は素人が行っても迷惑だという意見があり、二の足を踏む人が多かったことや、時期の問題が挙げられます。災害ボラン笹倉和幸氏西尾雄志氏笹倉教授がWAVOCの活動に同行した時の様子早稲田大学フィルハーモニーとパントマイムサークルは老人ホームと病院を回り、演奏とパフォーマンスで被災地の人々の心を癒したパントマイムサークルはバルーンアートも披露32

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