IKUEI NEWS vol58
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【コーディネーター】西尾 雄志 日本財団学生ボランティアセンター 代表/早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター 客員准教授【パネリスト】伊藤 章   NPO法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA) 理事笹倉 和幸 早稲田大学 学生部長/政治経済学術院 教授中根 圭一 読売新聞 気仙沼通信部 記者震災後1年、学生ボランティアにできたこと、できなかったこと西尾 パネルディスカッションでは、今回の震災で「学生ボランティアにできたこと、できなかったこと」について各パネリストの立場からお話をしていただきます。最初に読売新聞気仙沼通信部の記者で、実際に大津波を経験された中根さんに、震災直後の被災地の様子と現在に至るまでの状況などについてお話を伺いたいと思います。中根 震災直後に被災者にお話を伺うと、「自分はこんな体験をした」「私はお父さんを亡くした」「うちは家が流された」と、一人一人が本当に何時間でも話し続けてくれました。中には涙を流しながら話してくれる人もいて、取材自体が傾聴ボランティアの役割を果たしているようで、記者である前に一人の人間として聞くことに徹するべきだと強く感じました。 現在の一番の課題は産業が復活しないことです。瓦礫は片づいたものの、更地になった土地の利用計画が決まらず、雇用の受け皿になるはずの冷蔵施設や加工場が復活できないという状況がずっと続いていますし、すでに失業手当が切れた人も出てきています。これは東北だけではなく国民一人一人の問題だという意識を持って、解決に向けて何かできることはないだろうか、と日々現場で考えています。 西尾 今回の震災ボランティアをめぐっては、当初「ボランティアに行くな論」や自重論が流れて、それらに対する反応がかなり分かれたように思います。95年の阪神・淡路大震災の時中根圭一氏社会とつながる学生ボランティアパネルディスカッション震災発生直後の気仙沼市の様子(昨年3月11日午後3時32分、中根氏撮影─読売新聞社提供)津波が気仙沼湾に押し寄せ、市街地をのみ込んでいった31

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