IKUEI NEWS vol58
14/52

寄稿●2自ら考え、行動するボランティアなら劇的に成長できるただ、ボランティア活動をするだけでは企業の評価も得られないし、成長もしない。どうしたら社会に貢献できるかを考え、行動できる人材を社会は求めている。株式会社クオリティ・オブ・ライフ フェロー/著述家常見 陽平11社会貢献志向の学生たち急増中? 「学食で男子学生たちが『就活のネタづくりに被災地ボランティアはぴったり』と語っていたのです。もう、就活って何なのかって思いました」。 早稲田大学の女子学生はこんなことを愚痴り始めた。自らも被災地に赴き支援活動を行ったのだが、こんな不純な動機でボランティアに行こうとしている同級生たちがいることに呆れ返った。実践女子大学の学生もこう語った。 「私は以前から、ボランティア活動に取り組んでいる。でも、就活のネタ作りのために取り組むのは違うんじゃないかと思う。私まで同じ視点で見られたとしたら嫌だ」。 日々報道される就職難は深刻で、学生は入学した頃からぼんやりと就活のことを意識する。学生は日頃から就活のネタ作りに頭を悩ませているのではないだろうか。ややフォローすると、善意のスタイルは実に多様であっていいし、不純な動機から始まる善意だってあるとは思っている。 複雑な心境になる事例の紹介から始めてしまったが、ボランティアに限らず、学生の社会貢献志向は高まっている。話題の書、『絶望の国の幸福な若者たち』(古市憲寿著、講談社)でも触れられていたが、「社会意識に関する世論調査」(内閣府)の2011年のデータによると20代の若者のうち「社会志向」の若者は55・0%で「個人志向」の36・2%を上回る。また、「日頃、社会の一員として、何か社会のために役立ちたいと思っていますか」という質問には59・4%の若者が「そう思っている」と回答している。20代の若者=学生というわけではないが、若者の社会貢献志向を感じるデータである。就職情報会社が発表する企業を選ぶ基準の調査でも、社会貢献をしている企業は上位に入っている。人気企業ランキングにおいても、鉄道会社を始めとするインフラ系企業や公務員が人気を集めているのは、安定しているのではないかという期待からだけではない。社会の役に立つという点が評価されている。 「社会貢献」は若者が注目し、取り組みたいテーマの一つになっている。企業が注目するのは「何を」やったかよりも「どう」やったか では、企業は新卒採用の選考時に、ボランティアなどの社会貢献活動を評価するのだろうか。結論から言うならば、評価はする。ただ、就活でよくある「体育会有利説」「サークルの会長有利説」などの都市伝説的な迷信と全く同じで、これに取り組んでいるからといって、劇的に評価が上がるわけではない。企業の採用担当者が気にするのは、「何をやったか」だけではなく、「どうやったか」なのである。知りたいのは価値観、行動特性、思考回路などである。 ボランティアと言っても、最近話題の被災地支援企業は学生のボランティア活動をどう考えるか明日への視点自分を育てる学生生活の過ごし方❺明日への視点大学生とボランティア活動

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です