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先輩の留学報告

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平成17年度生
横浜国立大学工学部第二学部物質工学科3年  土屋直子

留学の目的

物質工学の基礎関連科目を英語で学ぶこと、および英語力の更なる向上。

期間

平成17年8月~平成18年5月

留学校

カリフォルニア州立大学サクラメント校(アメリカ合衆国)

学部

化学学科

大学2年生の夏、私はアメリカへ留学することになった。留学先は、大学の交換留学提携校の一つであるカリフォルニア州立大学サクラメント校であった。日本の大学では物質工学を専攻しているが、留学先ではそれに関連して化学の専攻となった。留学の一番の目的として、自分の専攻の核となる科目である数学と化学を基礎からきちんと学びたいと思っていたため、前期の最初にまず化学と数学の初歩のクラスに出席してみた。しかし、日本で既に学んだ内容が多いと感じて担当の先生に相談したところ、最初の一週間でその授業をキャンセルし、もう少し上のレベルの授業を受講することとなった。具体的には、Calculus ⅢとOrganic Chemistry LectureⅠという授業をとることになった。Calculus Ⅲは毎週4日、Organic Chemistry LectureⅠは毎週3日、講義が行われた。この点は今まで学んできた各授業、毎週1日という日本の大学の授業時間と違っていた。また、留学前は、アメリカの大学では学生が授業に参加するスタイルで授業が進められていくのだろうと予想していたが、私の受講したこの二つの授業では、日本の大学と同様に先生が一方的に講義をするというスタイルだった。特にOrganic Chemistry LectureⅠではその講義形式が顕著で、授業中は先生の講義を聞き、毎回宿題を提出し、週に一回ほどの割合で小テストが行われるというのが通常の授業スタイルであった。中間テストが学期中に3-4回あり、最後に期末試験が行われるという流れだった。

前期の授業が始まって数週間は、すでに自分が日本で学んでいた内容と重なる授業内容もあったため、順調に授業についていけているように感じていた。しかし、一ヶ月目頃から特にOrganic Chemistry LectureⅠに自分の頭が授業内容についていっていないように感じるようになってきた。具体的には、初めて聞く英語の専門用語等が授業中に出てくると、それを何とかその場で把握しようと考えているうちに、授業が進んでいって、授業内容を聞き逃してしまうというようなパターンになってきていた。そういう状況でも当初はあまり慌てることなく、自習でカバーできると考えて取り組んでいたが、やはり授業内容の多さに自習時間の量がついていけなかった。また、自習時間を増やして睡眠時間をけずることで、一時は授業についていけても睡眠不足のため授業中の集中力が低下してしまったという悪い側面が生じ、自分なりの勉強の取り組みが成功できなかった。しかしながら、少なくとも英語で化学の専門用語を習得できたことはこの授業で学んだ成果である。今後も化学の勉強を続けて上での第一歩となったと思っている。

Calculus Ⅲもやはり講義形式の授業であったが、時々はクラス内でグループになって、数人で一つの問題を考える時間もあった。通常の授業では黒板と先生の講義にかじりついて聞いていた自分も、このようなグループ作業を通して、自分が他の学生に比べて理解できている点、劣っている点などを知ることができた。数学は自分ひとりで問題練習を重ねることが重要と思っていた私は、最初は1人で取り組んでいたが、やはりそのうち理解が難しい内容が出てきた。特に、日本では公式を暗記して利用することにより問題を解くことが多かったため、式とグラフの相関関係を把握することが弱く、その勉強に時間をかけても解決できないような状況が続いた。週4日の授業が進む中、他の授業の予習復習のため毎日Calculus Ⅲばかりを自習することもできず、何かヒントを戴けたらと思って先生の部屋を訪問した。その日を境に、先生のちょっとしたアドバイスで授業内容理解が倍増した。その後は、難しい点や解らない点は、授業の空き時間に先生の部屋に行って質問をするようにした。この授業については、特に式とグラフの関係について自分の能力が向上したと思っている。

後期には、数学のDifferential Equationの授業を受講した。最初は簡単な内容であったが、前期と同様にだんだん授業についていくのが難しくなった。ただし、その克服方法を前期で学んだため、解らない時はできるだけ先生のオッフィスアワー内に質問をしに行くようにした。キャンパスで知り合った友達が同じクラス内に居たことも、クラスでの学習意欲の向上、ともに勉強し合えるよい環境をつくることが出来た。

留学のもう一つの目的として、実験の授業を体験したいと考え、後期にその受講を考えていた。しかし、前期のOrganic Chemistry LectureⅠで成績を残せなかったため、後期にOrganic Chemistry Labの授業をとることが出来なかった。そこで、実験と講義を一学期に同時に受講できるBiology Major向けのBiochemistry Lab+Lecの受講に一時は登録し受講した。私は有機化学だけでなく生化学にも興味を持っているためである。この授業登録は留学先の大学のコーディネーターと相談し、私の短い留学期間中に出来る限り目的に沿った授業を受講するために適切な授業と判断されて登録できたが、その後、担当の先生とChemistry Departmentの人に確認したところ、この授業は Biology Major向けのものであるためシステム上受講不可ということになってキャンセルすることになってしまった。英語による実験を体験できると意欲を持って取り組んだ矢先のことで、とても残念であった。

英語でのコミュニケーションについては留学当初からあまり不安は抱いていなかったが、実際に留学して、アメリカのNative Speakerや英語の堪能な海外からの留学生達と話す時は、やはり少し気後れすることもあった。しかし、諦めずに話しをしていくことで特に語彙力と発音が向上したと考えている。また、留学先で自分の専門授業の学習や登録のために奔走し、いろいろな先生方やDepartmentの人々に相談に行ったことも、結果として自分の授業理解だけでなく英語力、コミュニケーション力の向上にもつながったと思っている。ただし、やはり化学の勉強で効果的な学習ができなかった一因は語学力だと思っている。日本で事前に英語での専門用語の学習準備をしていたら、もっと留学での勉強を質の高いものに出来たのではないかと思う。英会話と、英語での専門の勉強は、それぞれに目的に即した学習が必要である。将来、日本内外を問わず研究する仕事に就きたいと考えている私は、その両方の能力を備える必要がある。留学を終えた後も、これらの留学の経験を忘れず学習に励んでいくつもりである。